東京製綱はベトナムでエレベーター用ロープの生産能力を増強する。5000万ドル(約50億円)を投じ、3月には現状の2倍となる月産1000トン体制を築く。中国・東南アジアではエレベーターの需要が急速に高まっており、昇降機メーカー各社が進出している。得意とする高層マンション向けのエレベーターロープを各地に供給する。
エレベーターのカゴをつるし上下させるロープを増産する。30階以上の高層ビル向けで、一般的なエレベーターに使われるロープよりも凹凸が少ないのが特徴。乗り心地をよくし、交換頻度を減らし運用コストを抑えられるメリットがある。
これまで日本で手掛けていた素材の強度などを高める前処理工程の設備も増やし、生産コスト低減を目指す。将来的には月産1500~2000トン体制も視野に入れる。
中国は世界エレベーター新設市場の約半分を占めるとされる。都市化が加速する東南アジアも今後需要増が見込まれる。中でも30階の高層マンションの建設が進んでいるといい、同社は得意とする高速エレベーター向けロープの増産に踏み切った。
日経新聞2014/2/5より